『眠れる森の美女』(全曲)Solo Piano
P. I. Tchaikovsky = A. Siloti / JNCD-1021

☆ミヒャエル・ナナサコフ(ヴァーチャルピアニスト)13枚目のCD。 チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」のピアノ独奏用編曲版。本CDは原曲の繰り返しを一か所割愛しただけで全曲を収録しており、2枚のCDをどちらも79分58秒に収めるように計算してから録音されている。録音に際して、テンポはゲルギエフを参考にしており決して早すぎはしないが、これをバックに踊るのは大変だろう。
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交響曲 第4番&第6番(ピアノ2台8手)
Tchaikovsky = Langer / JNCD-1020

☆ピアノの横に乗っているのは、手が8本ある軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)の仏像フィギュア。手に持っていた武器や斧は脇に置いて、ピアノ8手用に編曲されたチャイコフスキーの交響曲を弾いてもらいたいが、実際には4人のピアニストが2台のピアノで演奏することになる。交響曲のピアノ編曲は出版社との契約に含まれていたのでチャイコフスキー本人による4手版があるが、ランガー版はオーケストラ・スコアの音符をより多く拾うことができる 8手版(連弾が2組)だ。
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ブランデンブルク協奏曲(Piano solo)
Bach = Stradal / JNCD-2016

☆彼の編曲における特徴として、可能な限り原曲の音を拾うために多声部進行が多くなることと、過剰なまでの左手の増強がある。2オクターブ以上のアルペッジョ、通奏低音のほぼ全てがオクターブであり、そのまま16分音符の速い走句へとなだれ込む個所が随所にある。適正速度での演奏自体に違和感があるというのも変な話だが、楽譜に忠実であればこのようなことになるし、楽譜が演奏者に親切であるかは、また別の問題だ。
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ラフマニノフピアノ協奏曲全曲、パガニーニ狂詩曲(ピアノ2台用編曲) / JNCD-1018

☆第2ピアノに関してはオーケストラを再現するというよりも「オーケストラのスケッチ用」として書かれたようで、2台ピアノのために作曲された「組曲第1番、第2番」などとは明らかにレベルが違う。しかしこの楽譜が提供する「音」を実際に聴いた人が、果たしてどれほどいるだろうか。それはオーケストラの大迫力を取り除いた「芯」の部分が浮き彫りにされ、ラフマニノフが音楽をどのように組み立てたかがよく分かるというものだ。
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『神聖な詩』『プロメテウス』(2台用)
Scriabin = Savaneev, Konyus / JNCD-1017

☆作品の斬新性によりスクリャービン本人はプロメテウスのピアノ4手編曲は出来ないと考えていたが、それを編曲したサバネーエフによれば「意外にもピアノ2手に収まった。スクリャービンは自分の作品が期待したようには難しくも複雑でもなかったことに気を悪くしたようだった。」とのこと。しかしその後、2手よりも、もっと難しくなく充実したピアノ2台4手による表現の方がサバネーエフには望ましく思われ、編曲し直した4手版がロシア音楽出版社のカタログに加わった。
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ピアノ協奏曲1番, 2番, 3番(2台用編曲)
S. Prokofiev / JNCD-1014

☆プロコフィエフ自身によるリダクションであるため、その音楽の骨格は本質的なものと言える。協奏曲の練習用楽譜と捉えては作曲家に対して申し訳ないというものだ。彼は自身が優れたピアニストであったので、これらの一部を或いは全てを資金を出してくれる売り込み相手に聴かせた筈だ。協奏曲を弾くピアニストや音楽学校の練習室だけではなく、もっとリサイタル等でも演奏されてしかるべき作品だ。
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ショパンのEtudesによる練習曲(全曲)
Chopin = Godowsky / JNCD-1012

☆ショパン練習曲=ゴドフスキー版全曲を約20年ぶりに録音しました。今回は全53曲とOssia付きの別バージョンも収録、さらに[No.11]と[No.12]を同じタイミングで演奏して同時に鳴らすという多重録音をオマケに収録しました。ゴドフスキーの美しい楽譜を忠実に「音」にする、ある意味での頂点。ポリフォニー、ポリリズム、ポリダイナミクスを堪能できます。1991年盤をお持ちの方はナナサコフの成長ぶりを感じていただけることでしょう。
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1837年のアルカン作品群
Ch. V. Alkan / JNCD-1009

☆1837年、アルカンはピアニスト・コンポーザーとして栄光の頂点を極めていた。この年に出版された作品は、これまで殆ど演奏されていないが、リスト、ショパン、ベルリオーズら同時代のロマンティックたちの影響のもとで、アルカンの個性が初めて開花した傑作であり、ここに収録された全ての曲は、驚くべき独創性、そして悪魔的な超絶技巧にあふれている。
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バッハ無伴奏チェロ組曲(Piano solo)
Bach = Godowsky / JNCD-1018

☆チェロの聖典、御存じ6曲ある無伴奏チェロ組曲をもとにゴドフスキーが2番、3番、5番をピアノ用にかなり自由に編曲した作品。チェロ奏者が聴くと怒るかもしない。しつこいリピートは一部カットしたところもある。オマケ(と言っても大作だが)に収録したのはパッサカリア(シューベルト未完成交響曲冒頭の旋律による44の変奏・カデンツァ・フーガ)、14分30秒。没後250年の2000年にリリース。
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無伴奏ヴァイオリン ソナタ(Piano solo)
Bach = Godowsky / JNCD-1007

☆無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番、パルティータ1番、ソナタ2番をもとにしたゴドフスキーによるピアノ編曲作品。ゴドフスキーは複数のメロディーを幾つも組み合わせ対位法的に同時進行させる。その手腕は実に見事であり、あたかもバッハ自身が書いたように思わせるところ、まさにピアノ王ゴドフスキ-以外には書き得ない楽譜となっている。
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アルカン短調練習曲
Ch. V. Alkan / JNCD-1006

☆「短調による12の練習曲」作品39は、ハンス・フォン・ビューローが「ピアノのベルリオーズ」と評し、リストが脅威を感じたアルカンの多面的天才を顕わす金字塔と言える大作だ。第1曲~3曲は短調の単独作品、第4曲~7曲は交響曲様式、第8曲~10曲は協奏曲様式、第11曲は序曲、第12曲は変奏曲、もちろんピアノ独奏のための練習曲集だ。
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ショパンのエチュードによる
53の練習曲より27曲
Chopin = Godowsky / JNCD-1001

☆バーチャルピアニストを初めて形にした、ナナサコフの記念すべき一作目のCD。 ピアニストの免許証ショパン練習曲をもとに、ゴドフスキーは華麗な装飾やピアニズムの極致的技巧を施した編曲に仕立てた。対位法の名手としてのゴドフスキーの技量が遺憾なく発揮され、ポリフォニー、ポリリズム・ポリダイナミクスが堪能できる。これらすべて(53曲)を出版するのにおよそ20年かかり、彼の代表的な作品と言っても良い。これは編曲というよりは、むしろショパンのエチュードをモチーフにした再創造というべき作曲だ。
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PRONUNZIATO / REAL Pianists

Kapstin Piano Sonatas
植松洋史 / UEHC-8016

☆ロシアの作曲家ニコライ・カプースチンは、クラシックベースでありながらジャズの語法が上手く採り入れられ、非常にリズミカルで躍動感あふれる作風が特徴的である。このCDにおいては、国立映画交響楽団等のピアニストでありながらも作曲への欲求をずっと持ち続けたカプースチンが独立した1984年以降の作品を収録している。これらの作品は、植松洋史氏による的確なリズムとその超越した演奏技術により、困難とされているカプースチン指定のテンポに従った演奏を実現させており、カプースチンの世界観が明快に打ち出されている。
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コンポーザー=ピアニストを称えて
西村 英士 / JNCD-1019

☆収録曲は、19世紀前半から21世紀までの3世紀にわたるコンポーザー=ピアニストの系譜を時代順にたどる構成となっている。リスト、ショパン、ツェルニーら同時代の作曲家6人が自慢の腕を競い合ったユニークな合作「ヘクサメロン」、リストの強力なライヴァルで、彼との“ピアノの決闘”で知られるタールベルク、ショパンと同時代とは信じられないほど斬新な作品を生み出していたアルカン、現代を含め古今東西で最高のピアニストと言われる独学の超人ゴドフスキー、・・・
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シマノフスキ:幻想曲
村上将規 / JNCD-1016

☆シマノフスキは細部に至るまで極めて美しい響きに魅了される。これぞ高度な演奏技術の為せる業。リストも同様の美質が感じられる演奏で、細かい音の動きから浮かび上がる歌が聴き手の耳を心地良く刺激する。ショパンは霧がかかったような表現が新鮮で、情熱的でストレートな演奏とは一線を画する。奏者独自の感性の賜物であろう。ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番(ホロヴィッツ版)においては奏者の長所が全開。
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ポーランド民謡の主題による変奏曲
村上将規 / JNCD-1015

☆幻想的な序奏から始まる変奏曲(作品10)は充実した内容で演奏には高度な技術が必要とされ、物悲しく美しい旋律の主題に続き十の変奏から構成されている。一方、バーバーのピアノ曲の中でひときわ光彩を放つ存在であるこのピアノソナタは、アメリカのピアノ音楽の名作であるとともに、ヨーロッパのソナタの伝統をよく踏まえているといわれる。二作品の他にもポンセのインテルメッツォは、物悲しさとほのかな温かさに引き込まれる演奏であり、これらを含む本録音は、ピアニスト村上将規の持つ豊かな描写力と色彩感をいかんなく発揮した好演を楽しむことができる。
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